第1章

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『メンさん、今日走ること分かってんのにバイト入れるんだなぁー』 レオが感心したように言うと、リュウトは苦笑いを浮かべる。 『体力ぱねぇな』 『マジですげー』 『じゃ、行こうよ』 ハヤトはみんなを促すとマンションに入っていった。それにみんなも続く。六人がエレベーターに乗り込むとハヤトが五階のボタンを押す。 『タカ兄、パソコン使わせてくれっかな…』 ハヤトが呟くとアランが言った。 『そろそろパソコン買えよ』 『兄貴たちが持ってんのに、自分で買うのやだよ。僕、まだバイトしてないし…』 『タカ兄とケン兄の手伝いでもすりゃいいじゃん』 レオが言うのを聞いてハヤトは顔をしかめた。 『兄貴たちの手伝いなんかしたら、何から何までやらされちゃうよ。ぜってータダ働きさせられそうだし…』 だんだんとハヤトの声がちっちゃくなっていく。そんなハヤトの様子にリョウタが笑いながら言った。 『相変わらず立場弱いね』
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