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また一人屋上にやってきた。その少年は周りを見回すと言った。
『ユウタとレオは?』
『まだだね。バイトかな』
『アランも遅かったね』
体を起こしたが座ったままのハヤトが言うと、アランは目だけをハヤトに向ける。
『アラン、睨むなよ』
アランの様子に苦笑いを浮かべ言葉を発したのはリュウト。彼は壁にもたれていたが、すたすたと歩きアランとハヤトの間に割って入った。
『睨んでないよ』
『いやいや、睨んでるって!』
ハヤトが言うとアランはまた冷たい視線を向ける。
『こわいなぁ、アランは』
立ち上がったハヤトはリュウトの背中に隠れるように身を竦める。
『隠れるくらいなら茶化さなきゃいいのに』
ハヤトの様子を見ながらリョウタが笑っていた。
『ごめーん!遅くなっちゃったー!』
叫びながら屋上に飛び込んできた少年に続いて、もう一人が走ってきた。
『ごめーん、その2ー!』
『なんじゃ、その2って?』
暗がりに隠れていた体格のいい男が姿を見せる。
『だってレオが先にごめんって言うから、俺その2でしょ』
顔に似合わない少し高めの声で、目尻を思いきり下げた金髪の男が言った。
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