第1章

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また一人屋上にやってきた。その少年は周りを見回すと言った。 『ユウタとレオは?』 『まだだね。バイトかな』 『アランも遅かったね』 体を起こしたが座ったままのハヤトが言うと、アランは目だけをハヤトに向ける。 『アラン、睨むなよ』 アランの様子に苦笑いを浮かべ言葉を発したのはリュウト。彼は壁にもたれていたが、すたすたと歩きアランとハヤトの間に割って入った。 『睨んでないよ』 『いやいや、睨んでるって!』 ハヤトが言うとアランはまた冷たい視線を向ける。 『こわいなぁ、アランは』 立ち上がったハヤトはリュウトの背中に隠れるように身を竦める。 『隠れるくらいなら茶化さなきゃいいのに』 ハヤトの様子を見ながらリョウタが笑っていた。 『ごめーん!遅くなっちゃったー!』 叫びながら屋上に飛び込んできた少年に続いて、もう一人が走ってきた。 『ごめーん、その2ー!』 『なんじゃ、その2って?』 暗がりに隠れていた体格のいい男が姿を見せる。 『だってレオが先にごめんって言うから、俺その2でしょ』 顔に似合わない少し高めの声で、目尻を思いきり下げた金髪の男が言った。
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