第1章

6/14
前へ
/93ページ
次へ
駐車場の角を曲がったアランの姿が見えなくなると二人は我に返ったように顔を見合わせる。 『こんな間近でダンス見たの初めて!』 『ヤバイ!すげー興奮した!』 興奮がおさまらないのか二人のテンションは上がっていく。 『動画撮れた?』 男に聞かれて彼女は首を振る。 『ダンス始まった途端にそんなの忘れてたよ。ごめん』 声のトーンを落とした彼女の肩を抱いた男は明るい声をあげる。 『「神風」を見た俺らはハッピーなんだぞ!そんな顔すんな』 そう言って優しく抱き締める男に彼女は抱きついた。 『うん!ありがと』 この時、二人は間違いなくハッピーだった。
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加