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過去の妹と夢で会うことが多々ある そんな朝は可哀想で愚かな気分になって目を覚ますからとんでもなく気分が悪い そして今朝それ以上に後味の悪い夢を見たのは妹の三回忌の夜だったからなのか 夢の中の妹は小学生くらいで、人の多い地下街をあたしと2人でどこに行くわけでもなく歩いていた いちいち人の波にさらわれかける妹に苛立ちながら先をずんずん歩いていくあたしを「待って、待って」と懸命に追いかけてくる 人混みの雑音に飲まれて妹の声が急に消え、振り返ると何故か先ほどまでの地下街を歩く大勢の人達は一人もいない、もちろん妹も跡形もなく消えていた まだ朝の日差しも見えない真夜中に目を覚ましてしまい、カラッカラの喉を潤そうと枕元のミネラルウォーターに手を伸ばした 隣にはスースーと静かで規則正しい寝息を立てる翔太がいた 愛すべきバカ 高校のときに麻央に紹介してもらったあのバカ校のヤンキーとまさかこんなに長い付き合いになるとは とは言っても翔太と再会したのは去年の冬で、もちろん高校以来 翔太があたしの働いているキャバクラに会社の先輩と来たのがきっかけだった
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