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ぽかんと口を開けているあたしに妹は早くっ早くっと風呂に急かし、展開についていけないまま子猫の泥を洗い流し風呂から出た妹は「ママ、にゃーちゃん飼っちゃおうよ」と 「いいじゃんアイスぐらい食べようよ」とダイエット中の女友達をそそのかすかのようなノリで提案した 「もう、しょうがないんだから。ちゃんとお世話するのよ」 あの、その猫あたしが拾って来たんですがなんて突っ込む余裕もなかったし、にゃーちゃんにゃーちゃんとはしゃぐ妹は憎たらしいし、ついでに言うとさっきまであたしが守ってあげなきゃと抱いていた子猫までもが憎たらしくなる始末だ ちなみに子猫はマロンと名付けられたが名付け親は言うまでもなく妹だ あたしの介入する余地もなく妹は子猫を可愛がったが、掃除やトイレの始末やお風呂に入れるという重労働は全てあたしに課せられた
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