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翌朝。早朝に街を出発し僕達は箒で飛んでいた。
『随分、甘っちょろい飛び方しやがって。もっと早く出来ねえのか』
不満気なガイの言葉に僕は苦笑する。
最初の頃よりは随分早く飛ぶようにしてるのだが、何せバーンが速度に慣れていない。
僕は、小さな時からこの箒で飛んでいたし、この箒は僕に懐いてる。
ガイも驚いて居たけどね。
「しっかし、驚いたな。お前の使い魔って、滅茶苦茶賢いな」
ガイは、バーンに念話を繋いで話をしてるようだ。
魔物の言葉が判るようになるには数十年は掛かるのだから仕方ないと思う。
僕の場合は使い魔だから理解出来るんだけどね。
これは、例外だから。
結構な速度で飛び続けた僕達は、昼前にはバーンの村が見える所まできた。
普通なら数日間掛けて飛ぶ距離だからね?
僕達は、村の手前で舞い降りて箒から降りた。
ガイは直ぐに飛び上がって僕の肩の上に飛び乗った。
僕達は頷き合って歩き出した。
バーンが、何だか緊張してるように見えるけど大丈夫かな。
僕は少し不安に思いながらも黙ってバーンの後について歩く。
村の入り口に来た所で、門の所に立っていた男がバーンを見て驚きの表情をする。
「な!まさか、バーンか!貴様、王都で魔法使いになるって村を飛び出したんだろ!
まさか、もう、逃げ戻って来たのではあるまいな!」
その言葉に、バーンは、慌てた様子で言う。
「な!ちげーよ!俺は、ちゃんと魔法学園に通ってるって!」
バーンの言葉に疑うように言う男。
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