ビマ山のはぐれガイザードベア

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「はあ?んじゃ何で、卒業もしてねえのに、戻ってきてんだよ!お前は、家の農業を継ぐのが嫌だって飛び出したんじゃねえか。魔法使いになって楽に稼ぐんだって言ってただろ!」 その言葉に、僕が思わずバーンを見るとバーンは、顔を真っ赤にして言った。 「うるさい!何時の話をしてんだよ!そんな甘っちょろい事言ってたのは、子供の時の話じゃねえか!俺は、役に立つ魔法使いになるんだって出て行ったんだぞ!」 バーンを冷たい目つきで見ながら男は言った。 「はん!どっちにしろ、戻って来てんじゃねえか!卒業も出来てねえんだろ!一人前の魔法使いの印のローブを羽織ってねえ時点で、お前が半人前のままだって判るじゃねえか!」 そう。今の僕達は普通の旅人の格好だ。 魔法使いは一人前として認められる学園を卒業した時、その魔法使いの属性や特性に応じて国からローブが支給される。 このローブは、非常に特殊で王はこのローブを作るために、魔道具作りの職人を抱えてると言っても過言では無いのだ。 僕達がローブを羽織っていない時点で、確実に半人前であると認めてる事になる。 「俺達は、学園の依頼を受けて此処に来たんだよ」 バーンの言葉にあざ笑うように男は言った。 「はあ?お前らが依頼だとお?お前等が受ける依頼のようなものは、何も出してねえよ! 嘘を言ってんじゃねえぞ!」 男の言葉に、ムキになるかのようにバーンが怒鳴るように言った。 「だから、それは本当の事で、俺達はその為に「バーン」・・・・・!!」 ムキになるバーンに、僕は静かに言うとバーンは、僕の顔を見て悔しそうにしながら黙った。 僕は頷くと笑顔で言った。 「すみません。急にお伺いしまして。僕達は、村の村長さんにお話が有って伺ったのですよ。 僕達が学園の依頼で、こうして学園の外で活動してるのは事実で、僕の依頼をするためにどうしても、この村の村長さんに話を伺う必要性が発生しましてね。 それで、伺った次第なんです」
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