エピローグ

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デスクの引出しからカッターナイフを取り出し、スッと軽く切れ目を入れる。 比呂斗なら力任せに引きちぎるのだろうと思うと、口元に笑みが浮かぶ。 しかし、それも箱を開けた途端、引っ込んだ。 「……なんだ、これは?」 思わず一人ごちる。 ダンボール箱の中、厳重にくるまれた緩衝材から出てきたのは、ガラスのドームに閉じ込められたブーケだった。 箱の中を探ったが、手紙のようなものは付いていない。 しばらく逡巡した後、俺は八木に電話を掛けた。
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