エピローグ

5/13
前へ
/13ページ
次へ
「男じゃだめですか?私は室長に受け取っていただきたかったんです」 「こんな図体のデカイ強面の男が気持ち悪いだろう」 八木の真意が分からず、混乱したまま言葉を返す。 こんな大事なもの、自分で取っておけば良いものを。 どう加工したのかは分からないが、ガラスのドームの中、花は美しさを保っている。 男の自分は、花の価値も、ブーケの持つ重さも、きっと女のようには理解できない。 この花をもっと大事にする人は他にいるのではないか。 現に、八木のブーケトスには女性たちが群がっていた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

144人が本棚に入れています
本棚に追加