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「……それ、社長にも見せて差し上げてくださいね。そのために会社にお送りしました」
「なぜ?」
なぜ、比呂斗の名前が出てくるんだ?
混乱するばかりで、馬鹿みたいに聞き返すことしかできない。
「私からお二人へのプレゼントだからです」
「な、何を……」
ブーケトスは、次の花嫁を願う者が受け取るもの。
そのくらいの知識はある。
それを、俺たち二人に……?
冷汗が背中を伝う。
ゴクリと唾を呑み込んだ俺に、八木は止めを刺す。
「お二人のこと、わからないと思ったんですか? 大丈夫ですよ。私以外誰も気づいてません。もちろん後任の子も。
本当は当日お渡ししたかったんですけれど、室長はきっとお嫌だと思ってこんな形にさせていただきました」
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