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その続きが知りたい気もしたけれど、聞かなくてもなんとなくわかる。
彼女たちは達郎と付き合っていた頃の私をよく知っている。
あの頃の私は、もっと温度の低い付き合い方しかできなかった。
「とにかく、理沙が幸せになってくれて良かったよ。今度みんなで、久しぶりに女子会をしよう。そのときにじっくり、話を聞かせてもらうからね」
すると、すかさず藤木さんが口を挟む。
「だったら、みんなでマレーシアに遊びに来たらいいよ。若い子に人気の場所を案内するから」
社交辞令とは思えない。
たとえ気を遣ったのだとしても、初対面の友達にも、快い接し方のできる藤木さんが誇らしかった。
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