1542人が本棚に入れています
本棚に追加
やがて陸斗の運転する車の助手席に座った。
もともと海に行くときに使っていた四輪駆動車を、ときどき陸斗に貸していた。その後マレーシアでの仕事が決まって、陸斗に譲った。
もっと学生らしく、軽自動車にでも買い換えろと忠告したけれど、陸斗は聞き入れなかった。
カッコつけたり、見栄を張ったりするところは、若い頃の俺にそっくりで、思わず苦笑いしてしまう。
ここから札幌までは電車も走っているし、冬道も危険だからと言ったけれど、陸斗は迎えに行くと言って譲らなかった。
息子の運転する車に乗るなんて、何年先のことだろうと思っていたのに。
気がつくと、俺も来年には五十になる。
息子がそんな年頃になるのも不思議じゃない。
最初のコメントを投稿しよう!