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前谷さんのイヤホンに合図が来て、扉が開いた。
中は真っ暗で、どうなっているのかもわからない。
すぐに眩しいくらいのライトが当てられる。
「なんだか照れくさいよな」
耳元で藤木さんが囁いた。
「でも、幸せですよ」
「理沙が喜んでくれるなら、俺はそれだけで幸せだ」
そんなことをこっそり話しながら、前谷さんに遅れをとらないようについていく。
周りの様子も見えてきた。
みんながかしこまって丸いテーブルを囲んでいるのかと思ったら、そうではなかった。
レストランウェディングようにカジュアルで、高砂の席もない。
江美里の披露宴のときよりも小さい会場で、アットホームな雰囲気にホッとする。
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