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だからつい、お酒が入っているわけでもないのに、藤木さんをうっとりと眺めてしまう。
藤木さんが友達と話しているときも、私の両親に声をかけているときも。
たぶん、私が藤木さんのことを好きすぎていることは、周りの人たちには完全に見破られているだろう。
藤木さんのお父さんは、目が合うたびに、うんうんと笑顔で頷いている。
私と藤木さんが、いつまでも仲良くしていることが、いちばんの親孝行なんだと思う。
近くにいながら、母とはほとんど会話はしていなかった。
でも、その表情からは、怒りや不安はうかがえない。
ここに辿りつくまでに不徳義なこともしてしまったけれど、しっかり胸に受け止めて築いていくこれからの日常を、見届けて欲しいと思う。
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