21 夢の続き

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だからつい、お酒が入っているわけでもないのに、藤木さんをうっとりと眺めてしまう。 藤木さんが友達と話しているときも、私の両親に声をかけているときも。 たぶん、私が藤木さんのことを好きすぎていることは、周りの人たちには完全に見破られているだろう。 藤木さんのお父さんは、目が合うたびに、うんうんと笑顔で頷いている。 私と藤木さんが、いつまでも仲良くしていることが、いちばんの親孝行なんだと思う。 近くにいながら、母とはほとんど会話はしていなかった。 でも、その表情からは、怒りや不安はうかがえない。 ここに辿りつくまでに不徳義なこともしてしまったけれど、しっかり胸に受け止めて築いていくこれからの日常を、見届けて欲しいと思う。
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