1544人が本棚に入れています
本棚に追加
「トイレで寝てたら迎えに来てくれ」
冗談を言いながら、藤木さんはトイレに向かった。
「やれやれ」と、拓也くんがため息を吐く。
「今、ちょうど余興を始めるところだったんですよ」
「余興?」
そんなことまで計画されているとは思わなかった。
「なにをしてくれるの?」
「それは、見てのお楽しみです」
それだけを言うと、拓也くんは急いで席を離れる。
前谷さんに耳打ちをすると、前谷さんも、会場を出て行ってしまった。
すでに、姿の見えない人もいる。
春香もどこに行ったのだろう。
「なにか、始まるのか?」
父が話しかけてくる。
「そうみたい。でも、私もわからないの」
「準備も、大変だっただろうな。お金だって、かかってるんじゃないか?」
最初のコメントを投稿しよう!