21 夢の続き

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この場で、父は現実的なことを口にする。 でも、父の言う通りだ。 なにからなにまで、甘えるわけにはいかない。 父だって、私と話せるチャンスをうかがって、言いにくいことを言い出したのだろう。 「あとで、藤木さんに相談してみるね」 「そうだな。困ったことがあったら、俺にも相談してくれ」 そんなことを話しているうちに、藤木さんが戻ってきた。 「早かったですね」 「のんびりしてたら、また拓也に怒られるからな」 不意に、場内がまた暗くなった。 周りがざわざわとし始めるとすぐにアップテンポの音楽が流れる。 CDの音ではなく、演奏が始まったのだとわかる。 「なんだ? 何が始まるんだ?」
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