21 夢の続き

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「拓也くん、すごいですね」 「ああ。十代の頃は、バンドだけが生き甲斐だったって言ってたな」 「みんな、プロみたいじゃないですか?」 「ドラムの高橋さんは俺より歳上だけど、昔は音楽が本業だったんだ」 「そうなんですか?」 会場にいた人たちもみんな、最初は圧倒されていたけれど、次第に手拍子を打ち出した。 私も思わず、口ずさんでいた。 確か大学生の頃に、聞き覚えのある曲だった。 有名なあのバンドの曲。 でも、曲名が思い出せない。 「この曲、なんていう曲名でしたっけ?」 「タイトルは、思い出せないな。サザンの、昔の歌ならたいてい知ってるんだけどな」
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