東陸一《あずまりいち》

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渋谷の動きが、スローモーションのように見えた。まるで、夢に過ぎないのに自分ではどうすることもできない出来事のようだった。 渋谷は、制服のポケットから、俺がくすねた物よりも一回り小さい物を取り出して、指先で操作した。 何が起きているのかよくは分かっていなかったけど、絶対に自分にとって不都合な事が起きている事だけはわかった。 次の瞬間に……。 鳴った。 .
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