東陸一《あずまりいち》

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聞いたことのない音が、俺のスクールバッグの中から聞こえる。 「東くん、返してもらってもいいかな?」 「は?」 「今東君の鞄の中で鳴ってるの、私のスマホだから。返して?」 「え?」 「何回でも鳴らせるし、返すまでずっと鳴らすよ?」 「え?」 パニックをおこしかけている俺を舐めるように見て、渋谷は声をあげて笑った。 「ほんとにどうしようもないのね東くんって。園美さんの言った通り!」 。
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