北山耕平《きたやまこうへい》

11/29
前へ
/356ページ
次へ
この研究会で最初に取り組んだのも、この『本館』でしたね。 この本館に部室を構えれたのは、顧問になってくださった、渋谷先生のご希望からなのだとか。 その事で少し渋谷さんの事が嫉ましくもありました。 母親が椿ヶ丘の先生で、自分の立ち上げた同好会の、顧問になってほしいと、ねだることが出来るのが、羨ましかった。 渋谷さんと、渋谷先生はとても仲の良い親子だったことが、想像に難くなく、それが羨ましかったんです。 それにしても、渋谷さんは何故、人数合わせに僕を誘ったのでしょう? 『郷土資料研究会』の他のメンバーは、渋谷さんが寄せ集めたにしては目立つ人ばかりでした。 もちろん皆さんの事です。 南条先輩は、この椿ヶ丘で、ほんの数名しか出たことのない、特待生で人望厚い生徒会長ですし、西村さんは学園祭のミスコンでグランプリになるような人でした。 .
/356ページ

最初のコメントを投稿しよう!

735人が本棚に入れています
本棚に追加