東陸一《あずまりいち》

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「……。ねーちゃんが、本当に?」 「園美さんは、自分で抑圧しすぎてる感じだった。誰にも言えなかったって言ってたわ。だからのめりこみ方が、中学生みたいでちょっと怖かった。 こういう写真送っちゃうのって子どもっぽいって、何回か言ったけど止まらなかったみたいね」 俺が知るはずもない話に、唖然とするしかなかった。 「ねーちゃんが、独り暮らしをしたのは、渋谷と会いやすかったからか?」 「そうみたいね。私、そんなことも頼んでないけど。それに私は園美さんと付き合ってるつもりもなかったし」 「は? じゃあ渋谷にとって、ねーちゃんは何だったんだよ?」 .
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