東陸一《あずまりいち》

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「最初は興味、あとはうんざり。園美さんの事は個人的に知りたかったけど、こういうことまで知りたくなかった」 「渋谷からねーちゃんに近づいたって事だよな? なのにあんまりじゃないか」 「東君って、セックスしたら、その相手と結婚するの? そんな化石を通り越した感じの純粋なタイプじゃないよね? なのにお姉ちゃんと寝た人間にはそれを求めちゃうんだ? ほんとに身勝手な話だよね?」 怒りでかあっと体が熱くなった。 でも、それは渋谷の言葉が的を得ていたからだ。ねーちゃんが、文字通り死ぬほど好きになった相手が、渋谷だったとしたら、ねーちゃんがあまりにも不憫だ。 。
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