東陸一《あずまりいち》

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「自殺だよ……」 俺がそう答えた時の、渋谷の満足げな笑みは、今もこびりついて離れない。 「自殺。が、お葬式をしない理由にも、駆け落ちしたことにする理由にもならないわ。もう、東君と話してると時間がかかりすぎる。いい加減、信じてくれないかなあ、私が園美さんが死んだことを知ってること」 「俺、渋谷のいう事、何一つ信じられない」 俺がそう言った瞬間渋谷から笑みは消えて、鋭くにらみつけられた。 「何一つ、信じたくないだけでしょ? 現実逃避したんでしょう? しょっちゅうしてたんじゃない? 園美さんかわいそう。あんなに大事にしていた、弟に見殺しにされただなんて」 .
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