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◇◇◇
「すごい。蔵って初めて見た」
ねーちゃんが死んでから、俺は初めて蔵に足を踏み入れた。
梯子を上った屋根裏に行こうとすると、耳鳴りと頭痛で、頭がおかしくなりそうだった。
屋根裏に入ると俺は息苦しさのあまり、床に四つん這いになった。ねーちゃんが死んだときの、俺の身体の感覚のすべてが再現されそうな気がして、恐怖で動けなくなった。
あとから上って来た渋谷はそんな俺の姿を見て、声をあげてわらった。
「いい恰好ね。まあ、その方が私はやりやすいけど」
うっすらと、もしかしたら、渋谷に殺されるのかもしれないと思った。
本当は、渋谷もねーちゃんのことを本当に好きで、仲を引き裂こうとした、東の家の人間を憎んでいて、俺を殺す。
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