北山耕平《きたやまこうへい》

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あの日。渋谷さんが殺された日。なぜだか僕らは全員目撃しました。 本館の、初代校長の肖像のある、正面玄関の階段の踊り場に、こと切れた渋谷さんが吊るされていて、その近くで、血まみれで、何かを、必死の形相でしている、東君の姿を、ここにいる全員でみました。 東君は、わけのわからない事を言っていましたし、渋谷先生が通報してから、すぐに駆け付けた警察官も東くんが渋谷さんを殺したのだと、思ったのでしょう。 東くんの身柄は、速やかに拘束されました。 あの時、あの場にいた、全員から、冷静な判断は望めなかったでしょう。 渋谷さんの死体は、直視が困難なくらいひどい有様でしたから。 .
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