東陸一《あずまりいち》

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デスクトップがそれを読み込む音だけが、よく聞こえた。 「いったい何してるんだ?」 「園美さんは、いろんな物を私にくれたけど、私としてはこれが一番の贈り物よ。もったいないけど、東君にも見せてあげる」 デスクトップの画面には、動画が流れはじめているようだった。 「これ……。蔵? え? ねーちゃん」 脇差がきらりと光って、ねーちゃんの腹に飲み込まれていった。 一瞬で、胃の中のものがせりあがってきた。 「ちょっと、東君、吐くならこれに吐いたら? 掃除とか自分でしないんでしょ? 私、東君のゲロの始末なんか絶対したくない」 .
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