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西村さんは、悲鳴を何度もあげてから、泣きわめいていましたね。
南条先輩は廊下に張り巡らされている、花柄のじゅうたんに吐いていました。
僕は、東君の様子をただ、見ていました。
止めるべきなのか、そうでないのかも、よくわからなかった。
東君は暖かそうな色の何かを、必死で、渋谷さんに戻そうとしているようにも見えました。
ケネディ大統領が暗殺された時、ジャクリーン夫人がその肉片を集めたという話が、頭をよぎりました。
血が噴き出している傷口に、はみ出した内臓をいれてみたところで、どうすることもできないはずです。
そう思いながらも、そうとしか思えない行動を繰り返している東君は異常なはずなのに、渋谷さんの「死」を受け入れたくない僕はそれでなんとかなるような気さえしていました。
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