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けれど、どんなに俺が気をつけてみたところで、しいちゃんに障がいがあるのは、しいちゃんが話すのを聞けば分かってしまう。
ある日のお昼休み、給食の片付けをしていたら、クラスメイトの一人がこう言った。親が教育ママ代表みたいな感じで、俺が澤村先生に褒められる度歯ぎしりしているようなやつだった。
「拓也のお母さん、話し方変。大人なのに、こどもみたいなんだな『しいちゃん』だってバカみてえ」
秒殺でそいつに持っていた食器を投げつけて、飛び掛かった。
ケンカなんてもちろんしたことはなかったけど、そいつに馬乗りになって、引っ掻いたり殴ったりした。
騒然とした教室に澤村先生が戻って来て俺たちを引き離した。
「南条くん、三谷くん。何があったの?」
「南条がいきなり飛び掛かってきたんだよ!」
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