南条拓也《なんじょうたくや》

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◇◇◇ 俺が中学生になると、さすがにしいちゃんは俺を押入れに入れておけなくなった。 でもやっている事は同じで、家の中じゃなくなっただけだ。 しいちゃんの客の誰かが、入れ知恵をしたらしく、いつの間にか、携帯を持ち歩いていて、メールや電話で呼び出されるとしいちゃんは出かけていく。援デリで働いているみたいだった。 『生活保護』と言うものの存在を知った時から、しいちゃんには何度も、何度も、もらえるはずだから、申請しようと言い続けた。でも、しいちゃんはかたくなにそれを拒否した。 .
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