南条拓也《なんじょうたくや》

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しいちゃんとの話し合いがうまくいかなかった俺は、出会い系サイトやアプリで、しいちゃんの客を見つけてくる「打ち子」の男を、しいちゃんの携帯でメールを送って近所の河原に呼び出した。 あきらかに、やくざとかだったら、どうしようと考えていたのに、現れたのは、30代くらいのひょろっとした猫背の男だった。にやにやした顔に、どうしようもなく寒気を覚えた。 「あの、俺……」 「ああ、しいちゃんの息子だろ? しいちゃんがいっつも話してる。へー。結構でかいな」 「あの、しいちゃんの振りして呼び出して、突然こんな事言うの、変だと思われるかもしれないですけど、もうしいちゃんに連絡しないで欲しいんです」 .
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