南条拓也《なんじょうたくや》

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拭いても拭いても溢れる涙を諦めて家に帰った。 寝ていると思っていたしいちゃんは起きていて、帰ってきた俺の顔を見て悲鳴をあげた。 「たっくん、どしたの? だれかにいじめられたの? ひどいやつ。ぜえったい、許さない」 しいちゃんは威嚇するネコみたいにふうふう。うなった。 殴ったのは猫背の男だと言うと、 「あいつ、たっくんをいじめたの? 前も? 許さない!」 .
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