南条拓也《なんじょうたくや》

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息苦しそうだったから、こたつ布団をかけなおしてやるとしいちゃんは満足げにうなった。 「そんなことしてるの見てると、しいちゃんと、たっくんって、親子って言うより恋人同士みたいだね。え? 何? そんなに睨まなくてもよくない?」 「特殊な親子関係なのは認めるけど、そんな事言われていい気分になれる、高校生はいないね」 「特殊……。確かにそうかもね。でも、すごく仲良くてうらやましい。ねえ、私としいちゃんがどこで知り合ったか。とか、聞かないって事は私が何してるのか、知ってるってことだよね。だったら、聞きたいことあるんだけど」 「何?」 「なんで、しいちゃん、援デリやめちゃったの? 一人で客ひくより、援デリの方が、怖いこと、少ない。って言ってたのに……」 「必要なくなったんだよ」 「必要なくなった?」 「うちは生活保護受けるようになったから、しいちゃんがもうああいうこと、する必要ないんだ」 .
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