南条拓也《なんじょうたくや》

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そして、俺はしたり顔のカオリン。こと、渋谷唯香に呼び出されて、郷土資料研究会という、渋谷が作った同好会にはいるように持ちかけられた。 「俺、部活動はしないことにしてるから、悪いけど遠慮しとく」 「人数合わせがいるの。それに毎日来なくても構わないし……」 「放課後は、早く家に帰ることにしてるんだ」 「しいちゃんが何するか分からないから? ねえ、たっくん、私が椿ヶ丘に入学したことで、出し抜かれたような気がして、怒ってるんでしょ? でも、私たち仲良くしていた方が、いいと思うの。私意外と気が短いから、しいちゃんが話してたことを、井口のババアに言っちゃうかもしれないし。私ね、しいちゃんが大好きなの。だから……」 「分かった! 分かったから」 俺は書類に名前を書いた。 .
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