南条拓也《なんじょうたくや》

35/54

731人が本棚に入れています
本棚に追加
/356ページ
◇◇◇ 郷土資料研究会に入ってから、俺が常に気にしていたのは、渋谷の母親である、渋谷先生の存在だった。 渋谷と、渋谷先生の親子関係が、どんなものなのか、知りたかった。 最初に出会った教師が、澤村先生だったせいで、俺には『先生』という職業に対して、安心してしまう傾向は、確かにあったかもしれない。 でも、たまに顧問として本館に訪れる、渋谷先生と話をする渋谷の様子は、ホームコメディにでも出てきそうなくらい和やかなものだった。 2人を見ればみるほど、渋谷が援デリをしていたり、しいちゃんにしょっちゅう会いに来る理由が見当たらなくて、イライラした。 .
/356ページ

最初のコメントを投稿しよう!

731人が本棚に入れています
本棚に追加