南条拓也《なんじょうたくや》

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郷土資料研究会自体は意外と楽しめた。それまで部活動に所属したことがなかった俺にとっては、新鮮だった。 椿ヶ丘の本館、城の里博物館、城跡、十楽園、それに東の家の庭まで、見学しにいった。 ただ、東の家に行ったときは、ふつふつと湧き上がる怒りと、嫉妬を隠すのに必死だった。 数台の高級車と、十楽園を模した池のある庭。料亭のような貫禄のある邸宅。こんな田舎町でも、あるとこにはあるということとか、こんなにも恵まれている奴がこの世にいるってことを見せつけられた気がした。 .
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