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頭が真っ白になった。
そして気づいた時には、しいちゃんに馬乗りになって、その細い首を両手で、力いっぱい締めていた。しいちゃんがぐったりした時に、初めて自分のしたことに気づいて、膝を落とした。体中が震えていた。
「レニーを殺してはいけなかったのに」
背筋がゾッとした。振り返ると、何の断りもなく家に入ってきたのは、渋谷だった。
「あ、あ、お、おれ……」
「たっくん。後で聞く。とにかくしいちゃんをお風呂に連れて行かなきゃ、ほら、そっち持って? お風呂はあっちよね」
自分のしたことに、混乱していた俺は、何故か、おとなしく渋谷の言いなりになった。
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