南条拓也《なんじょうたくや》

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二人とも、高そうなスーツや、ブランドものっぽい服を着ているのに、おびえた表情をしていた。 「たっくん、疲れたよね? ちょっと向こうに行ってて?」 「え?」 「いいから」 風呂場から離れて、でも、風呂場の話声に耳をそばだてていた。 「唯香様、一体どうされたんですか?」 「これをばらしてほしいの」 「ヒッ! あ、ああ。あ」 「園美ちゃんの時より、細かく丁寧にしないとだめよ。分かるわよね?」 「唯香様、でも……」 「裕子さん? 園美ちゃんにできたことが、出来ないって言うのはおかしいでしょう? できるわよね?」 「……。はい……」 .
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