南条拓也《なんじょうたくや》

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それから、しいちゃんがどうなったのかは、想像しかできない。 風呂場から響く音のあまりの恐ろしさに、俺は耳を塞いでいた。 「この部屋、あっち側は空室だし、大丈夫よ。たっくん。あの人たちがしいちゃんを跡形もなく処理してくれるから」 「何なんだ? あの人たち」 「秘密のお友だちってとこかな」 「お前のこと、新興宗教の教祖みたいに崇めてた……」 「たっくん、うまいこと言うね。まあ、そんな感じかもね」 「レニーって何なんだ?」 「『二十日鼠と人間』って小説の登場人物よ。まあ、気にしないで」 「ゆ、唯香様、お話があります」 「あ、裕子さんが呼んでるから行って来るね」 .
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