西山緋音《にしやまあかね》

4/57

731人が本棚に入れています
本棚に追加
/356ページ
「婿養子」になってくれるひとじゃないと、好きになっちゃいけない。そのことは、小学生くらいで、もう気づいた。 小4の時の私のお誕生日会。こういう日に、どさくさに紛れて、好きな男の子を招待するのが、みんなのお楽しみだ。 ママだって、絶対気に入るはずだ。と思った。小西くんは、テストはいつも百点で、クラスで一番足が速くて、サラサラした髪で顔だってすごくかっこよかった。私は小西君が私が好きなことを知っていたけど、お誕生日会に来ると言ってくれてすごく安心した。 けれど、その当日。ママは、私が手作りの招待状を配ってもいない、本家の男の子を呼んで、その子をやたらちやほや褒め称えた。その子は乱暴で、いじわるだったから、みんなに嫌われていたのに……。 .
/356ページ

最初のコメントを投稿しよう!

731人が本棚に入れています
本棚に追加