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◇◇◇
中学生になると、私の胸は急速に膨らんだ。ママにブラジャーを買ってほしいと言ったら、
「まだ、早いわ」
と言われた。お小遣いを貯めて買ったら、洗濯かごに入れたら切られた。
「ママ、私のブラジャー、知らない?」
「ブラジャーなんて、知らないわ」
何でママが、見え透いた嘘を言うのかわからなかったけど、ブラジャー無しで学校に行けば、またひどい目に遭うかもしれない恐怖が、私を見え透いた嘘への追及からとおざけた。
少なくはないけど、多くもないお小遣いは、しばらくブラジャーに消えた。
でも、それじゃあ、全然足りなくて、つけていくのがない日があった。
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