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『ホルマリン』という単語を聞くと、きっと、この町の子ども、それにこの町で子ども時代の過ごした人のほとんどが、あのヴンダーカンマーに展示されている、ガラスビンに入った『胎児のホルマリン漬け』を連想するとは思いませんか?
何しろ小学校でも、中学校でも、課外活動などで、あのヴンダーカンマーに近づくチャンスが多すぎるのだから。
あのヴンダーカンマーには他にも初代館長の霜村鑑三氏が個人で蒐集した奇想天外な物が2万点程、展示されていますね。
霜村氏は、死後自分の内蔵までホルマリン漬けにしてコレクションに加えた。彼の脳は格別に興味深かったけど、でも、やっぱりあの胎児のホルマリン漬けに勝るインパクトを持つ展示物はないと思います。
あれを見ると、色んな事が思い浮かびませんか?
人道的にどうなのだろうか? という上辺だけの良心的なものかもしれないし、
いったいどんな成り行きでホルマリン漬けにされたのだろう? と好奇心を剥き出しにしたドラマを期待するものかもしれないし、
この胎児の大きさを、考えると中絶は不可能な週数であるはずだから、死産した子どもなのだろうか? と医学的にどうやって取り出したかが気がかりな疑問かもしれない。
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