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トレイをもって、歩く彼女の背中を追いかけた。
そういえば、こんな風に、ここのフードコートに来たことはなかった。友達となら、みんなの事情的に、学校の近くのロッテリアにしか行けない。それも時々でしかない。
広くて、綺麗で、内緒話にもってこいな閑散さがあった。
「ここが、私のお気に入りなんだよね」
そう言って、彼女は、テラスに近い広いテーブルに運んだものを置いて、座った。
「ごめん。びっくりしたよね? しらない他校の女子から声かけられたりして。逃げたしてくれてもよかったんだけど、着いてきてくれた方がよかったから助かった」
「どういうこと?」
「ここ、何人か、万引きGメンいるの知ってる?」
「え?」
「あ。聞いてくれるだけでもいいんだけど、西山さんの割とちかくに、その一人がいて、めっちゃ見てたから、なーんか、狙われてる? とか思って、勝手に同族意識芽生えちゃってたから、名札見て、こんな風に話しかけちゃった感じ。あ、ちがったらごめんね? でも私、コーラおごったから、西山さん、損はしてないハズ!」
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