西山緋音《にしやまあかね》

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「ぷ!」 損はしてないハズ! のあたりで、私は笑いがこらえきれなくなって、笑った。 おかしくてたまらなかった。おなかがよじれた。たらまらなくおかしかった。 私、最後に笑ったの、いつだったっけ? 思い出せなかった。 ブラジャーのことばかり考えて、笑えなくなっていた。 未来を描いて、婿養子と結婚して不幸を呪う自分を見て、絶望してばかりだった。 笑いたい。笑えない。 「え? 西山さん、私、そんな変な事言った?」 「ううん。ごめん、なんか、色々ツボ。っていうか、笑いダメしたいかんじかも」 「笑いダメとか、初めて聞くフレーズ」 その子も笑った。ほんとかどうかわからなかったけど、笑ってくれた。 「緋音ちゃん、かわいいから、あんなことしちゃうのかな。酷いよね」って言う、クラスの友達より。よっぽど私の慰めになった。 .
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