ヴンダーカンマー

西山緋音《にしやまあかね》

「ぷ！」

持っていたポテトを置いて、彼女は笑った。しまった。と一瞬思った。ブラジャーに対する思いを赤裸々にあかしてしまったから。

「ブラジャーが好きとか、フェチ的なそういうのじゃないの」

「そうなんだ。ブラジャーだけじゃないでしょ？　万引きしてるのは」

「ブラジャーだけだよ」

「なんで？」

気づけば私は、自分の事をそっくり、この子に話していた。

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