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「ずっと、西山さんに子どもでいて欲しい願望があるのかな?」
「それはないと思う。婿養子貰って、子供産んで欲しいっていうのがママの希望みたいだから。子どもじゃ子ども産めないもん」
「婿養子? なんか大変だね。ねえ、西山さんは、万引きがしたいって、感じじゃなくて、ブラジャーが手に入りさえすればいいんでしょ? だったら、バイトしない?」
「バイト? 中学生じゃ無理じゃない?」
「バイトって言い方変かな。メールとかするだけだから、時間のある時にやって
くれるだけでいいんだけど」
「簡単?」
「超絶簡単。やる?」
私はこくんと頷いた。万引きしないですむなら、きっとその方がいいから。
「じゃあさ、とりあえず連絡先教えてくれる」
「うん」
私たちはスマホを取り出した。その時になって「あ!」と思った。
「ねえ、名前教えて」
「あ。そっか。私渋谷唯香」
これが、私と唯香の出会いだった。
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