西山緋音《にしやまあかね》

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「別に男の人だったとしてもいいのよ? 婿養子になれる人なら」 「ママ、本当に最低。私のこと心配してるわけじゃないんだね。婿養子になれる人だったらいい。なんてありえないよ。普通の親ならもっとちゃんと心配するよ」 「そうした方が緋音ちゃんが幸せになるから、言うのよ」 「私、そんな幸せ、いらないよ。ママはこの土地で、この家で、ちっとも幸せそうじゃないのに、なんでそんな事が言えるの?」 「ママは、幸せよ。ここで、一生緋音ちゃんと一緒にいられたら」 「ママが、幸せでも、私が全然幸せじゃない!」 「大丈夫よ。絶対に幸せになれるわ。緋音ちゃんの名前はね、スカーレット・オハラから取ったのよ?緋音ちゃんの『緋』はねスカーレットの緋なのよ。スカーレットも最後はタラに帰るの」 ママの愛読書は『風と共に去りぬ』で、私は一度も読んだことはないけど、主人公の名前がスカーレット・オハラだということくらいは知っていた。 自分の名前の由来を、この時初めて知った。 こんな呪いがかけられていたとは思いもしなかった。 .
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