西山緋音《にしやまあかね》

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だらしなく、お菓子をボロボロ食べこぼしながら話す姿を嫌悪した。 「たっくんはね、しいより、ずっと賢いんだよ」 時々漏らす息子自慢にげんなりさせられた。子どもが大きくなってから、母親が何をしているか知った時、どう思うかって心配なんて、この女にはなかった。聞けば聞くほど、たっくんに同情した。まともに育てられない親なんてひどすぎる。 そう思うと、ママから逃げ出そうとしている自分が、酷い事をしている気分になって、ますますしいちゃんの事が嫌いになった。 .
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