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たっくんが、賢い。ネタには特にうんざりしていた。だからある時こういった。
「たっくんってじゃあ、大学にいくの？」
「うん。たっくん、だいがくにいきたいっていってた。たっくんなら行けるんだって」
こんな嘘までつくのか。と呆れた。
「だったら、高校卒業したら、遠くに行って、しいちゃんのこと、忘れちゃうかもね」
「たっくんが、遠く？」
「だって、このまちには、大学なんてないから、そうするしかないじゃない」
「ビビ、ひどい！ たっくんはそんな事しないよ」
「ビビ」は私の源氏名だ。急にどうするか聞かれてやけくそでつけた、名前。
「たっくんは、そうしたくて、そうするよ、だれだって、いつかは親と離れるもんでしょ」
「いや！！」
小さい子どもをいじめているような、気分の悪さをかみしめていても、しいちゃんを責めたかった。本当は私が、ママに言わないといけないことだったのに。
気分の悪いまま、この日限り、私がしいちゃんを見ることはなくなった。
援デリをやめたのか、私を徹底的にさけたのかはわからないけど、とにかく、しいちゃんには二度とあっていない。
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