北山耕平《きたやまこうへい》

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僕の母と、渋谷さんとの大きな違いは『僕』です。 僕は殺害された母の子宮から取り出され、母の傍で泣きもせず、眠っていたそうです。 臨月の母を殺し、その腹から赤子をとりだした猟奇殺人犯が、僕の父親……。 かもしれない。 その事実は僕の16年の人生に、生活に、家族に、暗い影を落とし続けました。 猟奇殺人犯の血が流れているかも知れない子どもに、娘を殺した男の子どもかもしれない赤子に、祖父母が寛容になれるはずもないのです。 .
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