北山耕平《きたやまこうへい》

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僕は無理難題を言っているわけではありません。東君だけでなく、ここにいる全員、もちろん僕自身も容疑者にならないよう知恵を絞るために、お集まりいただく事があるかもしれない。という事です。 僕は最近になって、祖母の罵声が時々、全部聞こえるようになりました。 「なんで、鈴子が死んで、父親がわからないどころか、人殺しの子を、私が育てるんだ! お前の父親はな、犬畜生にも劣る、あんなことは人間だけじゃない、犬だってしない! お前もきっと人殺しになるだろうよ。私がなんで人殺しを養わなきゃいけないんだ? あー。その目。鈴子はそんな目はしていなかったよ。人が殺せる人間の目だね」 だいたいこんな事を、祖母は自分の気がすむまで言います。 毎日。 小学生までは、罵声の後、口の中に、雑巾を入れられ、ガムテープで口を塞がれて、納戸に入れられました。 僕の泣き声が聞こえるような隣家は周囲にはありません。一番近くて500mくらい離れたところにあります。 口を塞ぐのは近所迷惑を気にしての事ではありません。 祖母は僕の泣き声さえ許せなかったようです。 僕は、皆さんを少なからず、脅迫しているかもしれませんが、 祖母の仕打ちを、罰として受け入れなければならない咎(とが)が本当に僕にあるのかどうかを、知りたいのは仕方がないことだと、 皆さんなら理解してくれそうな気がしているのです。 .
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